8/31にイロキチが日本へ帰国の途に立って以降、一人でメキシコシティーはサンフェルナンド館とゆう日本人宿に滞在してます。
ここでの滞在目的は絵を描くこと。
かれこれ2ヶ月間、ヨーロッパから南米大陸、そして中米へと旅をしてきましたが、その間絵筆は全然握ってきませんでした。
旅に出る前の段階から考えてたのは、前半は様々な歴史や価値観を持った文化圏を廻ってみようと思ってました。
「毛穴を開いて五感全部からいろいろ感じて、、、感銘を受けたり驚愕したり、感心したり疑問に思ったり、欺瞞を感じたり矛盾に憤ったり、、」
そんで、たくさんの思いを吸収したのち、時間をかけ消化熟成されて自分の中から自然に表現としてでてきたモノ、それを表すのが大事なのではないかと思ってます。
なので即効的に描いた風景画などはスケッチブックの中には皆無です、自分にとっては意味を成しません。
で、実際に描いた作品は下記に貼り付けてあります。今回はいろいろな理由から写真は小さくしました f^_^;)
久々に創作活動をしたわけですが、今回は面白い発見がたくさんありました。
こういった感じで絵を描くのは久々だったのではじめは、まぁあまり考えずに以前インドに行った時に描いたような絵をちまちまと描いてみました。流れるようなつながりのあるベースの色の上に、あたかも人が蠢き寄り添うかの様な極小の点をベースの色と調和するように置いていきました。
するとどうでしょう、全くしっくりきません。おそらくこの旅で吸収したモノとは違うようです。
次の日9/1に今度はベースの色はランダムに置いて上に乗せる色の点もベースと喧嘩する様な補色をあえて乗せてその不協和音で作品を仕上げてみました。するとそのハレーションを起こしそうな微妙なバランスでできあがった絵に、妙なしっくり感を覚えました。
ここからが大事です、僕はそんなに頭よく無いので言葉にするのが上手ではありません。今回の旅でも何か感じてるけれど言葉にうまくできてませんでした。しかししっくりきたスケッチをじっくり視てるといろんな事が理解できてきました。
まずインドで表現したスケッチには、「古来より変わらぬ大きな文明の流れと、その中で蠢き湧いてでてるかの様な圧倒的な人々」が調和されて表現されてます。たしかにインドで見た景色は数十年あるいは数百年前から変わってないんでは?と思えるような敬虔なヒンドゥやムスリムの方達の姿と、まだいるかって位の人々の密度でした。それが作品にでたようです。
それに対し今回旅してきた地域の特徴としてはインカ、マヤ、アステカとゆうそれぞれとてつもなく高度に発達していた文明を築きつつも、スペイン人に侵略 崩壊させられ、その後の支配のされ方によって一度文化の断絶が起きています(信仰の強制や言語の禁止、神殿の破壊、金品の略奪、古文書の類の焼失など)。
かの地に今も住む人々は、遺跡に残る肖像の姿と見紛うほどの人も少しはいますが、多くの人はメスチーソと呼ばれるスペイン人との混血です。
近年になって先住民族とその文化の保護が叫ばれ実際に良い方向で動いてきてるようですが、以前は差別的な扱いを少なからず受けていたようです。
それぞれの国で事情は違うでしょうが、破壊行為のおかげで真相究明ままならない古代文明を誇りつつ、その破壊者たるスペインとの混血文化礼讃的な雰囲気をメキシコとペルーに感じました。また、経済的な力は無いけれどインカやマヤの文化を色濃く残し、文化の継続を頑なに守ってるかの様をボリビアとグアテマラに感じました。
どちらが良いとかの話ではなく、複雑な感慨を受けて旅をしてきたようです。
〜ようです。と書いたのは、実際に作品を描いてしっくりきた絵を分析したら、正反対の色が点描で混ざり合った混沌とした色彩混合や、連続性や流れの無いベースの色面がどうしてしっくりくるのか考えた結果、絵から教えてもらった事だからです。
まぁそんな訳で新しい発見もあった作品をどうぞご覧ください、嫁をイロキチ呼ばわりしといて、旦那の方が更にイロキチかもしれませんが、、、。
(参考) 10年前インドでのスケッチを元にした作品 160?×70?位
今回メキシコ滞在中のスケッチ いずれもF0かB6位のサイズ
8/31
9/1
9/3
9/4
9/5
9/7
9/9
9/10
2週間以上滞在したメキシコシティーですが、滞在型の制作はちょっとお休みしてメキシコ中央高原北部にちょろっと旅してきます。
レアル デ カトルセとゆう昔銀の鉱山で栄えた街で今は廃墟と化しているまちです。その街の近くにウイチョール族とゆう、アステカ文明の数少ない生き残りの民族の宗教的な聖地があるので、参拝?してこようと思います。
因みに9/9、10の作品はウイチョール族が生み出す手工芸品に刺激を受けてます。
あと、この宿であった面白い事といえば、メキシコはルチャリブレとゆうプロレスが盛んな国です。この宿にも現地で活躍するレスラーたちが住んでたりします。
その中に、今現在の新日本プロレスチャンピオンの棚橋選手が遠征のため滞在したました。
日本では禁止されてる顔へのペインティングをして試合に出ようとしており、デザインを決めかねてたようで、いろいろ思案しつつペインティングをお手伝いさせていただきました。チャンピオンの顔を2時間近く触りまくりです。
試合当日は僕も会場(アレーナメヒコってゆう所)で観戦しました。
その様子が週間プロレスってゆう日本の雑誌に掲載されてるそうです。興味のある方はぜひご高覧ください。
メキシコシティーには19日頃帰ってくる予定です。
それではまた、、、。
shu